木曽檜

夕森公園 竜神の滝付近の木曽檜

檜一本、首一つ

 江戸時代、この辺り(木曽谷を縫って流れる木曽川を中心とする地域)は
天領(幕府の直轄地)であった。特に、木曽の五木(きそのごぼく:「ひのき」
「あすなろ」「ねずこ」「さわら」「こうやまき」)の天然生木は、停止木(ちょうじ
ぼく:禁伐林のこと)として尾張藩に保護されていた。これは、特に「ひのき」
を保護するための政策で、「檜一本、首一つ」と言われたほど厳しかった。



 

年輪の間隔が1mmない

 木曽檜は、厳しい自然環境(気候、地形、土壌など)の中で、ゆっくりと長い
歳月をかけて成長する。それゆえに、年輪の間隔が1mmないところもあり、

先人達が厳しい戒律をもうけ保護してきた意味が伺える。
樹齢300年前後の天然の檜を「木曽檜」と呼ぶが、その歴史の重さを感じず
にはいられない。

伊勢神宮の遷宮に使う御用材

 伊勢神宮の20年に一度の「遷宮」に使われる木曽檜。
その歴史は600年も遡る、1335年より始まったとされる。
安土・桃山時代〜江戸時代には、築城・武家屋敷建築・
造船など、その強靭な性質がゆえに多用された。
戦中戦後の木材需要の急増の際、大量に伐採されたが、
現在は、神社仏閣などのごく限られた用途に使用される。
「木曽檜」は特別な木で、「神様の木」であると私は思う。

厚さ約50mmの中に80本以上の年輪が

木肌・芳香・耐久性、申し分なし

 きめが細かく緻密、木肌は女性の肌の様に優しく美しい。その上、絹状の光沢が加わる。
 通常の檜と比べ芳香においても、一枚も二枚も上である。長い歳月の間に多くの精油を蓄えた
ためである。精油の主成分である揮発性物質(テルペン類)は、特定の動物などにとっては、忌み
嫌うにおいであるが、人間にとっては精神安定作用がある。他にも、消臭・殺菌作用などがある。
昨今、「フィトンチッド」と言ってこれ等の香りは注目されている。
 耐久性についても申し分なく、昔から水周りに使われたり
何より法隆寺の芯柱がその耐久性を
物語っている。

木工の巨匠も認める最高の材

 
木工芸の人間国宝(重要無形文化財保持者) 故 黒田辰秋 氏 が、これまた木工の天才
故 早川謙之輔 氏 に、「ヒノキは魚に例えれば鯛だ」「…木の中では最もよい檜…」「…檜を
使って…」と話されたのは有名(早川氏の自著に記されている)。
木工の巨匠が認める”最高の材である。